平川加奈江氏(以下平川):私は結婚を機に、父の経営している財津製作所という自動車部品製造業に入社しました。経理や労務を担当し、父と一緒に仕事をしていましたが、私が35歳、父が60歳の時に事故で突然亡くなってしまいました。一緒に仕事をしていたけれど、経営を知らないままでいました。父の仕事をなんとなく傍らで見ていましたが、自分のやる仕事以外はわからないまま。製造業ですのでモノは作れますが、5年、10年後のことや社員の処遇、設備投資などまったくわからないままの状態でした。金融機関ともいろいろと苦労し、知らない状態で相談する人もいないのは良くないと感じて、私が元気なうちに次の代に渡さなければと考えて、60歳で承継しました。